大腸内視鏡挿入法上達のヒントとして、スコープを最硬度にして肛門から挿入することの有用性について本ページで説明する。
以下すべて、『理屈コネ太郎』の管見内の私見である旨を銘記して読んでいただきたい。
最近の大腸内視鏡には、オリンパスもフジノンも、内視鏡の硬度を任意に設定できる変更機構が実装されている。
患者に苦痛を与えないとの視点からすれば、検査開始時には内視鏡硬度を最も柔らかい状態に設定するのが普通の考え方にも思われる。
しかし『理屈コネ太郎』は、検査開始時には最も高い高度に設定している。その理由は、その状態の内視鏡が最もスコープと腸管との関係性を右手に触知しやすいこ事と、スコープ先端を効かせる事が出来るからである。
スコープと腸管の関係性を敏感に触知できれば、患者が実際に痛みを感じる前に感触からその兆候を感じ取る事が出来る。具体的には抵抗感が少し増す。その時点で硬度を下げても遅くない。
そしてスコープ先端を効かす事ができれば、閉じた管腔でも半月ヒダや腸管屈曲めくるようにする事で進行方向を見つける事が出来る。
繰り返して恐縮だが、高硬度のスコープはスコープが腸管に無理な力を加えている事を触知しやすいのと同時に、先端を効かせて粘膜をめくる操作がしやすいのだ。
高硬度で検査を始めると必要な時に硬度を下げる事ができる。しかし、低い硬度で検査を始めてループを形成した後などでは、硬度を上げられない事がある。
つまり、低硬度で検査を開始することは、検査途中で硬度を変更するという選択肢を失いかねない…という事に繋がるのだ。
そういう理由から、『理屈コネ太郎』は検査開始時には最も高い硬度に設定してる。
皆さんのヒントになれば幸いである。
今回は以上。
当サイト内の他のコンテンツにご興味あれば以下よりどうぞ。
当サイト内の『コンテンツのページ』は”ココ”をクリック
『若き医師達・医学生達への伝言』は”ココ”をクリック